図書館戦争

図書館戦争

図書館戦争

タイトルから内容が想像しにくいが、実際タイトル通りの内容である本、有川浩図書館戦争』読了。熱く、面白可笑しく、感動もある!こいつは大当たりだ!

昭和最終年度、公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる「メディア良化法」が成立。良化特務機関による検閲の嵐が吹き荒れていた。これに対抗し、表現の自由、読書の自由を守るのは・・・図書館!「メディア良化法」と対立する「図書館の自由法」に依って立ち、超法規的検閲に、同じく超法規的手段で立ち向かう。

「図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る。」
正義の味方、図書館を駆ける!

バカすぎるっ!!図書館が、軍隊めいた組織構造を作って、戦闘の最前線に立つ!?こんな無茶な設定、どういう脳をしていたら思いつくんだ!?それに、これだけバカな設定で、面白可笑しいのはともかく、どうしてこうも熱い話を書けるのか。どんだけ俺を喜ばせるのかと。

「愛する本を守る」「読書する自由を守る」戦士達に共感しまくりだ!読みたい本を自由に読めないという地獄の到来を防いでいるのは、彼ら図書防衛員なのだ。特に、主人公である郁が図書防衛員を志すきっかけとなった「王子様」ときたらもう、スーパーヒーローだよ。

郁が読みたくて仕方がなかった本を手にしたその日、良化特務機関が検閲に訪れた。大切な本達が手荒に放り出され、郁が守ろうとした本にも魔の手が伸びる。郁を万引き犯呼ばわりし、あくまで取り上げようとする隊員に突き飛ばされた彼女を支えたのは、関東図書隊の三等図書正。その執行権限を持って本を守った彼は、郁に言うのだ。

「買って来なさい」
(中略)
「万引きの汚名を着てまでこの本を守ろうとしたのは君だ」

なんて格好良いのだろう!!俺もヒーロー的なキャラクターは星の数ほど知っているが、この「王子様」は間違いなくトップ3に入るね!ウルトラマンとか孫悟空とかキムボール・キニスンなんか軽々超えてしまうよ。

他にも、本に対する愛情に充ち満ちた表現の数々!この本みたいに分厚いハードカバーを読む人なんて、たいがい読書好きなはず。だから、読んだ人はみんな感動してしまうんじゃないだろうか。なにも感じない奴はもう本を読むな。

登場する全てのキャラクターが個性的で、彼らの掛け合いは実に楽しいし、かと思えば表現の自由というものをよくよく考えさせる話もあるし、郁の成長物語としても面白いし…見所を挙げていくときりがない。

とりあえず、読め。本を愛するならば。ライトノベル的なノリの良さがあって、あっさり読めるから。