ぼく(あたし)たちがかんがえたすごい規制案

いいことかんがえた!

おばさん連中って、消えて無くなるべきじゃね?ところかまわず大声で話すし、細い通路遮って立ち話して通行の邪魔するし、あつかましくて礼儀も知らんし。で、指摘をすれば逆ギレしてキーキーわめくばかり。感情的になるばかりで頭も悪いよね。

あいつら、絶対に子供達に悪影響を与えていると思うんだ!
だって実際、今の若者には礼儀知らず多いだろ?それに、私が思うに少年犯罪は明らかに増えてるけど、きっと関連あるね。あのあつかましいおばさん連中の恥知らずな振る舞いが、人の気持ちを思いやるっていう大事な心を子供から奪っているから、子供達も平気で人を傷つけるような人間になっちゃったんだ。間違いない。

だから、そういうおばさん連中は我々の美しい社会から隔離したほうがいい。現代版姥捨て山に放り込んで人目に触れないようにするべきだと思うんだよ。そうしないと、あのダメな人間に子供達が毒されて、健全な思想や礼儀正しい振る舞いを身につけられなくなるかもしれない。いや、きっとそうだ。

もちろん、全ての中年女性がそんなだとは思ってないよ。だから対象は最大限に限定的に定めたものにするつもり。例えばこちらのブログで紹介されているおばさんたちは明確にアウトだね。見てよ、自分と違う主観を持つ人は障害者扱い。人のことを思いやる気持ちなんてカケラも見えない。こんなアブナい人たちが子供の身近にいたらと思ったら、どれだけ悪い影響を受けるだろうね?でも、その他の一般的な中年女性のみなさんはここまでイカれてないだろうからきっと大丈夫だよ。まぁ、今後どうなるかはわからないけどね。

まぁ、異論もあろうと思うけど、青少年への悪影響がないっていう証拠もないよね?だから隔離しといたほうがいいって。

…。
……。
………そんな無茶な話とおるか!!!

もちろんネタです…よ?

いや、通そうとしている連中がいるようなのだ。これと同レベルの主張で、かなり危険な規制案を。

今、「非実在青少年」といういうキーワードで、青少年へ向けた表現規制案が話題を呼んでいる。問題も問題なのだ、これが。


本エントリでは規制案の中身には踏み込まないけど、おそろしく危険な代物であり、表現の自由への悪質な攻撃である。ぜひリンク先の記事を読んで欲しい。

さて、規制案自体、恣意的な解釈がいくらでも可能という問題ありすぎな代物だが、これに賛成している人々の電波っぷりもすさまじく問題である。子供達の健全な成長を願うのはわからんでもないが、幼稚すぎる。

私は、青少年が見なければいいとか、そういっただけではなくて、実際に写真じゃなくて漫画だから被害者はいないだろうではなくて、全体でどうしてこんなに小さい子どもが性被害に、昔からこうだったのか。なぜこうなったのか。本当に増えていると思うんです。やはりアニメ文化とか、ロリコン文化が絶対助長していると思います。

引用元:第七回専門部会議事録、36ページ

彼等は本気で信じているんだなぁ

「絶対〜と思います。」というのは意味のわからない言葉だね。「思います」っていうんなら「絶対」じゃないだろう。しかし電波の識別には役立つフレーズだ。これを口にする人間にまともな知性は期待しないほうがいい。

そもそも、なんで「絶対助長している」と言い切れないんだろうか?それは客観的なデータがないからであろう。

個人的にどういう主張を持とうが自由だ。しかし、それだけで他人の思想や行動を制限できてよいはずがない。それをしたければ客観的に評価できるデータを示し、制限が妥当であることを証明してみせ、他人の理解を得ることが必要だ。しかし、この手の規制案を出してくる連中はいつもデータを出してこない。

一方、規制に反対するSF作家・山本弘氏が実際のデータを記した秀逸なエントリ「山本弘のSF秘密基地BLOG:「非実在青少年」規制:目に見える形で反論を提示する」をポストしている。賛成派もこういう形で「明らかに青少年に悪影響を与えている」と示すことができれば聞く耳も持とうというものだが。もちろん、実際は真逆の結果がでている。青少年による犯罪が増えてなどいないことは有名な話だ。

しかし、このエントリで注目すべきはこの部分だ。規制派のスタンスはここに如実に表れている。

○吉川委員 私としては、性犯罪の減少も目的の一つであると言ってしまって、ただ、そうした創作物が性犯罪の発生と密接な因果関係があるかどうかを、必ずしも統計を示してまで立証する必要はなくて、逆に、関係がないという根拠もないわけなので、だから、統計的なデータがないから犯罪との因果関係がないとは別に言い切れないと突っぱねたらいいと思います。

立証する必要はないし、データがなくても「突っぱねたらいい」のだそうだ。
ふざけるな。
お分かりだろう。彼らは自分たちの主張を支持する根拠がないことを知っている。にもかかわらず、規制を主張するのだ。これはもう、「データなんかどうでもいい。俺たちは規制したいからするんだ」と自白しているようなものである。

山本弘のSF秘密基地BLOG:「非実在青少年」規制:目に見える形で反論を提示する

「無いとは言い切れない(だから規制すべき)」なんて考え方が通るのか。そうであれば、私が冒頭ででっちあげた無茶苦茶なおばさん隔離論も当然通るのだろうね?「無いとは言い切れない」だろう?他になんでも規制できるぞ。米が体に悪影響を与えないとは言い切れない、だから日本人は米を捨てるべき、とか。

大人は客観的なデータを出すものだ

規制派はやりかたが子供である。「いやだからいやだ」「自分が正しい。なぜならそう思うからだ」などなど。

大人はこんな不毛なやりとりはしない。子供はその未熟さゆえに主観が人それぞれ異なることを理解できないかもしれないが、大人は人生経験から主観の違いを理解しているはず。だからそうした人々と調整を行う際は、自分の主観に寄らず、客観的な視点を保つよう努める。客観的なデータを出すよう努める。

…そう思っていたのだが、「自分が絶対に正しく、反対するやつは精神がおかしい。そんなやつらに自分の正しさを証明する必要は無い」といった論調を持つ「大人」がいるらしい。いや、これはもはや大人とは言えまい。頭の中は子供のままだ。そんな人々が考えた規制にがんじがらめにされるなど、それはそれはおそろしいことである。