ロケットまつり6

ロフトプラスワンで開催された「ロケットまつり6」に行ってきた。

ロケットまつり」は、SF作家の皆さんと、ゲストのロケット開発関係者により行われるトークライブ。これまで「ロケットまつり2」「ロケットまつり3」と出ているので、これで三度目である。

参加者はいつもの作家陣、つまり笹本祐一氏、あさりよしとお氏、松浦晋也氏の三名。これに林紀幸氏(元宇宙科学研究所・ロケット班長)、垣見恒男氏 (元富士精密技術者・ペンシルロケットを設計)という豪華なゲストを招いてのライブとなった。

本日のお題はベビーロケット。日本のロケット開発の祖がペンシルロケットと呼ばれる全長23センチ、直径18ミリの小さなロケットであることは有名だが、ベビーロケットはその次に作られたロケットである。水平発射していたペンシルと異なり、ベビーロケットはロケットらしく垂直発射、さらにテレメトリーを積んだり、搭載した観測機器を打ち上げ後回収したりと、いろいろとつっこんだ試験に使われていた。そうした機器を積み込むため、機体もペンシルよりずっと大きい。

当時の記録映像が再生され、日本のロケット開発のスタート地点、まだ自分も生まれていなかったころに意識が飛ぶ。人の手でロケット組み立てて、ラウンチャーまで担いで持って行く。素朴だが熱い日本製ロケットの始祖、ペンシルとベビー。こういう地道な試験の積み重ねが、衛星を打ち上げるに至った現代のロケットに通じているのだなぁ。しかし、現代のロケットも、手作業によるところが大きいらしい。ボルトなんぞ一つ一つ人が締めているそうだ。大がかりになっても、根底は変わらないらしい。

しかし、さすが現場の人間。いろいろヤバい話を知っている。しょっぱなに出された資料からして普通にマル秘などと書いてあったりするのですが。ほんとに見ていいんですか、これ?

いろいろ笑えて洒落にならん話が多くてとても愉快。例えば、「ロケットまつり3」でも言っていたのだが、林氏、本物のペンシルロケットを持っているのである。スミソニアンにすらレプリカしか置かれていないというのに。他にも「あんたら、そんなことやってたのか?!」とつっこむところ多々あり。いつもながらクオリティ高し。

垣見氏が「現場に近い人間ほど、失敗した話をする。遠い人間ほど成功した話しかしたがらない」と言っていて、なんとなくもっともだなぁ、と感じた。普通、失敗経験と成功経験であれば、前者のほうが記憶に焼き付くものであるし、この失敗が後の成功の糧になっていると思えれば失敗経験こそがありがたいものだ。

でも、失敗の話をするとき、人の失敗をあげつらったり、自分のことを自虐的に話したりする人はたくさんいるが、自分の失敗した話を面白おかしく話して笑い飛ばせる人ってそんなに多くない。こういう人間はとても魅力的だと思う。もちろん、ちゃんと実績を残した上での発言であることが大前提だが。俺も気をつけよう。。。

そんなわけで、「ロケットまつり7」のお題は失敗話になるそうだ。そいつは楽しみだ!ほかにも、これから夏にかけていろいろ面白いイベントが行われるらしい。これについてはまた別の記事として書くかもしれない。



オマケ。

ロケットまつりで。。。

ロケットのキーホルダーもらいました!
右側のはなんだろう・・・人っぽい。

一緒に「ロケットまつり6」に行った友人から、会ったついでに手渡された。誕生日を祝ってくれたメンツのうち一人が、誕生日プレゼントとしてもらった自転車の、鍵に付けるために用意してくれたそうである。聞いたところによると、俺がロケットを初めとした宇宙開発方面に興味をもっていることを知った上でのチョイスらしい。イカス!サンキューです!鍵を購入し次第つけさせていただきます。