ITPro Challenge!

ITPro Challenge!という、豪華極まるゲストが集められたステキイベントに、会社の先輩と参加してきた。

こちらにレポートがあるので、ここは感想など。

印象深かったのは、俺が言いたいことを言ってくれた鵜飼氏@Googleのプレゼンテーションである。鵜飼氏は、「アルゴリズムとデータ構造」を理解することの重要性を説いてくれた。Googleへの入社を志す人々の中にも、こうした基礎をないがしろにしている人が多いらしい(で、そういう人は落としている、と)。

確かに今は便利なAPIがたくさんあって、例えばクイックソートアルゴリズムを知らずともqsortかそれに類する関数の存在を知っていれば望む処理を実現できる。しかし、そんな基礎的な処理すら自力で実装できない人間に、果たしてより高度な処理を実装する能力や、高い生産性を期待できるのか?

このへん、伊藤氏@はてなの、「あえて車輪の再発明をする」という考え方にも通じる。ちゃんと組めないとその技術を習得したとは言えまい。

また、「その言語ではあたりまえに使われるAPIを知らない」ことも問題視するという。ググれば良いという考え方もあるが、ちょっとした処理を実装しようとするたびにいちいち調べないといけない人間の生産性が高いとは思えない、とのこと。「必要になったときに調べればよい」という逃げ口上を自分の不勉強の言い訳にする連中に聞かせてやりたい。いざ必要になったときに、慌てて調べてすぐに理解できるほど頭が良いわけでもあるまい。

あとは、「とにかく動くものを素早く作り上げて、フィードバックを受ける」という開発スタイルはハッカー共通であるらしいのも興味深い。ここ数年、同様の手法が注目を集めているが、ハッカーはとうの昔にそういうスタイルを身につけていたわけか。戀塚氏@ドワンゴも、ニコニコ動画のプロトタイプを一週間もかけずに実装し、デモを行ったそうだ。しかし、素早く作るというのも、それをできるだけの引き出しを備えておかないと無理な話である。日々精進を続けるハッカーだからこそ先取りできたスタイルなのかもしれない。我々も倣わねばなるまい。

他にも興味深い話は多かったが、挙げていくとキリがない。知りたい人はレポートを読むか、そのうちYoutubeニコニコ動画に動画をアップするそうなので、そちらを参照。

こんなに面白いイベントに参加できるのがたった70名、というのももったいない話である。しかし、それだけにアンテナの高い人しか参加できなかったであろうから、ノイズを除去する意味ではこれで良いのかもしれない。

以上。第二回の開催も大いに期待したい。