二極化

小川一水氏のblogにこのような書き込みがあった。

そういったことを話すのは本意じゃないんだが、こう、どっちを向いてもダメな話ばかり聞くと、無視してもいられない。はっきりいうと今のJAXAは宇宙開発をやる気がない。宇宙に興味がないのに、地位の安泰や収入を目当てに入っている人が少なくない。迷惑な話だ。(全然自覚がないのに組織を疲弊させている人──今日会ったある方いわく「イノセントなんですよね」──もいる。また別の意味で困る)

打ち上げ前の雑感02: 小川遊水池@blog

・・・そうか、やはり技術分野はどこも同じか。まぁ、ここで言っているのは現場エンジニアじゃなくて、もっと上の連中のことかもしれんが。

IT業界も似たり寄ったりだ。一昔前のITバブル華やかなりしころ、別に情報技術に関心を持つでもない連中が「これからはITだ!これなら食いっぱぐれないだろう!」と、この業界にわんさか押し寄せた。

そいつらが、現在のほとんどの情報系企業のフロントラインに立っている。そんな彼らは熱意に欠けておりろくに成長しておらず、無能揃いだ。そして、企業体の仕事は構成員による共同作業になるため、彼らは一人でつぶれるのではなく、周囲を巻き添えにする。まるで疫病に体をむしばまれていくようだ。

ただ、ITと宇宙開発には大きな違いがある。それは、選択肢の数、しいては流動性の高さだ。日本で宇宙開発をしようと思えば、実質JAXAに行く以外に道はないから、その現場を改善していくしかない。しかし、IT企業は星の数ほどある。そこがダメなら余所に行けば良い。疫病に体を侵されようと、その体を捨てることができる。

そのため、力を持つ人間は少しでもまっとうな現場を求め、次から次へと会社を移っていく。現在のIT業界は売り手市場となっており、その道を選びやすい状態である。ということは、力を持つ者達は10年もすれば極一部の最先端に生きる企業に集まっていくんじゃないだろうか。

IT業界にも二極化の波か。さて、どの企業が生き残るかな?自分のいる場所をトップに持って行くのと、トップに行きそうな場所に移るのと、どちらが自分にとってプラスになるか?一考の余地はある。