まだ見ぬ冬の悲しみも
まだ見ぬ冬の悲しみも (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)
- 作者: 山本弘
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/01
- メディア: 単行本
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奥歯のスイッチを入れろ
そうだ、そこのお前が連想した通りのテーマだ!これすなわち「加速装置」。
身体能力を大幅に向上させるなり、自分だけ時間の流れを変えるなりして超高速に動く、というギミックはあちこちのマンガ・アニメ・SFで取り入れられている。しかし、そんなに高速移動したら、空気抵抗がすごいことにならないか?かるく腕を振っただけで衝撃波が発生するんでは?といったリアルな考え方を元に、本当にありそうな加速装置について書いた内容である。
ストーリーは別に大したことない。味わうべきは、加速状態の演出と科学考証である。
バイオシップ・ハンター
生体宇宙船について書いた話。ちょっとホーガンっぽい?佳作。
メデューサの呪文
飛浩隆の「象られた力」では図形がとんでもない・・・それこそ銀河を一つ消滅させるほどの・・・力を持っていたが、この短編では「呪文」とあるとおり、言葉、特に「詩」が強大な力を持っている。オチを楽しむ短編。でも、途中で読めてしまうかも。
まだ見ぬ冬の悲しみも
表題作。タイムトラベルもの。これはちょっと意表を突かれた。
シュレディンガーのチョコパフェ
タイトルから中身がまったく想像できないが、ちゃんとSFしている。それにしても、そんなオチでいいのかよ?っていうか、やっぱりオタクだよなぁ、山本弘。そして、この短編内のネタの8割を理解できる俺もどうかしている。
闇からの衝動
イア!イア!実在の超有名SF作家を登場人物にしたSFというかホラーというか。そうか、かの名作が生まれたのはそういう背景があったからか!って、おまえはアーカム計画かと。こういうバカな話は大好きである。中身はギャグじゃないのに、ギャグとしてしか読めない。っていうか、やっぱりオt(ry
個人的には前の短編集「審判の日」のほうが好きかな。でも、悪くない。普通のデキ。あまりハードSFしすぎていないので、入門に読んでもいいかもしれない。