Joel on Software

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Joel on Software

皆様、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。年が明けて一週間も音沙汰無く何をやっていたのかというと、一つは年越しゲームをエンジョイしており、もう一つは書籍になったJoel on Softwareを読みふけっていたのである。

Joel on Softwareといえば、エンジニア向けのblogとしてはトップクラスの人気を誇っており、俺も日本語訳したやつをつらつらと眺めてみたことがある。盟友が彼のblogで非常に面白いと評していたので、俺も一度まとめて読んでみるか、と購入したわけだが、これがまた本当に面白い。

ソフトウェア開発に関わる全ての人が読んでよい本だ、これは。マネジメントのことも書いてあるし、プログラミングの話もあるし、経営戦略についての記事もある。そして、その全てが機知に富み、興味深い。さらに、ジョークの効いた軽い文体で書かれているので、読んでいて面白く、あまり勉強している気分にならない。

例えば、マネジメントとコーティングは全然別のスキルセットが必要なんだぜ、だからプログラマをマネージャに「昇進」させるのはナンセンスなんだぜ、という話をする際の例え話。

時空連続体の裂け目からミステリアスにプレッツェル工場へと転送された優れた脳外科医は、たとえハーバードメディカルスクールを出ていたとしても、プレッツェルの焼き方について何か知っていると期待されるべき理由はない。
な、大丈夫。

前書きにあるが、部分的に日本では受け入れにくいプラクティスも書かれている。例えば、「仕様書を可笑しく書くべき」とか。

そう、人々にあなたの仕様書を読ませるためのルールの第一番は、読むのが楽しくなるようにすることだ。自分は生まれつき面白い人間じゃないなんて言わないで。信じないから。誰でも常に可笑しい考えを持っているものだけど、そういうのは「プロフェッショナルらしくない」ということで自己検閲しているのだ。ふぅ、たまにはルールを破ることも必要だよ。
違うんだよ、Joel。自己検閲するどころか、俺ももっと愉快なドキュメントを書きたいんだけど、仕様書にジョークを書いたりすると、顧客以前に頭がストライクガンダムのセーフティーシャッター並に固い上司が明確な理由も言えないくせに「とにかくやめろ」とか言ってくるんだよ。でも、身内向けの引き継ぎドキュメントではそうするよ覚悟しろ、身内。

この業界で働く人間必読の本だと思うので、皆読むように。で、なんかプロジェクトがうまく運ばないなぁ、とお悩みの諸君は、ジョエルテストで自分のプロジェクトを採点せよ。