裏技

興味深い記事が。「悪魔に心を売っても納期を守る! 裏技術」という、否応なしに注目させられてしまうタイトルだ。

エンジニアたちは、非現実的な納期に苦しめられることが多々ある。そんな危機的状況を脱するために、いったいどんなテクが使われているのか?裏技なんで、まっとうな解決手段ではないが、そういう手段に出てしまうのもやむを得まい。ていうか、いくつかやったことあるし(汗)

仕様変更多発させて、設計を大幅に遅らせておいて、それでも納期は変更無し、というのはこの業界の腐った常識である。俺が過去経験したデスマーチのいくつかは、設計までの段階でとんでもない遅れをだし、コーディングおよびテストフェーズを人海戦術と品質度外視と長時間残業で何とか急場を凌ごうと努力する、というスタイルになっていた。人海戦術しようとなると、参加するエンジニアの質など考慮していられないので、ゴミみたいな奴もたくさん入ってきてそいつらが品質を落とす。さらに、品質度外視ということになると、もう歯止めが利かない。デバッグや後の保守での負荷が悪夢のように増大し、開発者たちをさらなる地獄に突き落とす。

設計の遅れはたいていの場合、その前段階で仕様が固まらないことに原因がある。仕様の確定には当然発注元も関わっているので、一方的に受注側の責任にはできない。だから、その分納期を後ろに倒すか、重要度が低い機能を削って工数削減するのが当たり前のように思える。しかし、実際はそうはならない。製品の投入タイミングなどで高度な判断が為されているのか、または何も考えていないのか、「納期は動かせない。なんとかしろ。」とくる。

紹介した記事のタイトルには「悪魔に心を売っても納期を守る!」とあるが、俺は正直そこまでやる気はサラサラ無い。できないものは、できないのだ。いくら無茶だと思えても、プロとして納期は守る、守れないのは自分のせいだ、なんて考えていたら、あっというまに鬱病になってしまう。そんな前例はこの業界には腐るほどあるし、先達の苦労を知っている以上、二の轍を踏む気もない。この仕事は好きだが、かといって自分の生活や精神を犠牲にしてまで尽くす気はない。

とはいっても、納期というのは客との契約だし、当然守るのが前提、そのための努力は現実的な範囲でするけどね。俺もそれなりに経験積んできているから、そのための「裏技」も当然持っているし。

・・・ここには書かないよ?手の内ばらしたら裏技にならないじゃないか。