ホーキング、宇宙のすべてを語る
- 作者: スティーヴン・ホーキング,レナード・ムロディナウ,佐藤勝彦
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2005/09/30
- メディア: 単行本
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「ホーキング、宇宙のすべてを語る」を読み終えた。/.Jによると、前作「ホーキング、宇宙を語る」から16年ぶりの刊行となる。内容は、古典物理学の発見から、近代の物理学までの変遷をたどり、これに最新の発見を加え、宇宙そして時空の構造に迫るというものである。
理解した!・・・50%ぐらい。もしかして30%ぐらい?・・・と、とにかくわかった気分になれる本である。
たぶん、非常にわかりやすく書いてある。数式なんて全然出てこないし、日常的な例えをたくさん出して、我々一般人がなんとか読めるようにしてある。俺も、一般相対性理論のくだりあたりまでは、ちゃんと読みこなせた。もっとも、そこまででページ数にして全体のほんの3割といったところだが。あと、時間旅行の可能性あたりもギリギリ理解できたような気がする。伊達にSFでウラシマ効果に馴染んでいない。
その後の量子論やら、ひも理論になってくると、わかったようなわからないような気分になってくる。この辺がわからないと、イーガンの諸作が読めないんだよなぁ。「宇宙消失」も「万物理論」もこのへん扱ってるから。
いろいろ出てくる理論の中で関心したのは、次の3点。
ひとつめ。この世のあらゆるものは相対的で、絶対的なものが無く、それは時間ですらそうである。時間の流れというのも、観測者それぞれの立ち位置によって微妙に異なるそうである。
ふたつめ。不確定性原理。巨視的にはまったく問題にならないが、微視的になると無視できなくなる原理。人間の観測精度には限界がある、という話である。これは実験的に確かめられている真実である。
みっつめ。E=mc^2という公式が、なぜ超光速航行の可能性を無くすのか。質量=エネルギーという考え方でいくと、光速に達するには無限のエネルギーがいるんだねぇ。なるほど。
あまり深く考えず、わからないところはわからないままで、あっさりと読み流すようにしていれば、軽く楽しく読める。突っ込み始めると、ちょっと勉強の様相を呈してくるな。