アーサー・C・クラーク氏が死去

SF作家のアーサー・C・クラーク氏が、90歳で亡くなられた。人類の宝が、また一つ失われてしまった。
クラーク氏は、アイザック・アシモフおよびロバート・A・ハインラインと並んで"御三家"(Big 3)と呼ばれる偉大なSF作家で、『2001年宇宙の旅』をはじめとして数多くの傑作SF小説を世に送り出してきた。俺が読んだのは膨大な著書の中でもごく限られたものにすぎないが、それでも多くの感動を与えてもらった。

幼年期の終り』では、人類進化の壮大な、それでいて物悲しいビジョンに魅せられました。

宇宙のランデヴー』では、巨大な人工物体"ラーマ"についての仔細にわたる描写に圧倒されました。

渇きの海』では、まだ見もしていない月面の様子が生き生きと描かれていて、わくわくさせられました。

短編集『太陽からの風』では、リアル極まりない太陽帆船の挙動、および木星の描写に最高にしびれました。

短編集『天の向こう側』では、宇宙でのありふれた生活が生々しく、面白おかしく書かれていて、宇宙に行った自分を鮮やかにイメージさせてくれました。

楽園の泉』では、宇宙エレベータの建築を詳しく描くことで、自分たちの手が届く宇宙を感じさせてくれました。

クラーク先生、たくさんの感動をありがとうございました。安らかに。