優秀なエンジニアなんていらない

IPAイベントのレポート。

http://www.atmarkit.co.jp/news/200706/28/ipa.html

最後の「優秀な技術者が求められない?」が特に痛い。今のところ事実である。

現在の業界では、無能な人間が冗長でバギーなプログラムを長時間かけて作ったほうが金になる。見積もりが作業時間とコード行数できまり、さらに保守の名目でバグ改修すれば、さらに顧客から金をむしりとれるからだ*1

優秀なエンジニアはシンプルで短くバグの少ないコードを短時間で書きあげることができるので、顧客満足度は良くなりそうだが、金にならない。

実際、生産性向上を掲げたときに、上司から「言っていることは正しいが、やりすぎると利益が落ちる」と言われたことがある。

もはやITエンジニアに、コンピュータから連想される知的エリートとしての印象はカケラほどもない。体力と根性がものをいう泥臭い力仕事だ。仕方がない、頭を使ってスマートに仕事をすると損をするのだから。

いかんよな、このままでは。日本のエンジニアの質が落ちて、国際競争力が失われる、なんてもっともらしい理由もあるが、それよりそんな環境でグダグダに仕事をしても俺が楽しくない。高いスキルと高い生産性が利益に結びつく仕組みを作らないと。身近なところからいこうか。IPAもキャリアフレームワークつくったり、未踏ソフトウェア創造事業を実施したりと頑張っているようだが、彼らの成果が業界全体に敷衍するのを待っていたら定年を迎えてしまう。

*1:もっとも、その見積もり方法を要求するのは客のほうなので、文句を言われる筋合いは無い