『ぼくらの』購入
我ながら珍しく、コミックスを一括購入した。鬼頭莫宏『ぼくらの』既刊6巻。最近アニメ化されたやつである。
Wikipediaで「残酷なファンタジー漫画」と紹介されている本作品は、読んでいて鬱になったり感動したりとなかなかに忙しい代物となっている。
ストーリーは至極単純。
地球に15体の怪物が順次攻めてくる。この怪物を倒し、地球を守らなければならない。こちらにあるのは強くて巨大な一体のロボット。それを操るのは契約者となった中学一年生14名。
ここまでだとありがちなのだが・・・。
- パイロットは14人いるが、一度に操作できるのは一人で、順番に出番が回ってくる。
- 巨大ロボットが怪物に破れるか、戦闘に決着が付かず48時間経過したら、地球は滅びる。
- 巨大ロボットを操縦した人間は、その戦闘終了後に死ぬ。
勝っても死ぬ。負けても逃げても全人類を道連れに死ぬ。つまり、契約者14名はどうあがいても死ぬ運命にある。一度の戦闘が終了すると、即座に次の操縦者がランダムに選ばれる。選ばれた者は、次に怪物が来襲するまでの間、確実に訪れる死と向き合わねばならない。
なかなかシビアな描写が目立つ。死を目前にして取り乱す者もいれば、どうせ死ぬのならばと巨大ロボットの力で復讐を遂げる者もいる。しかし、家族や隣人を守るために戦う者もいる。そんな生き様を見せながら一人、また一人と散っていく様は、哀しく、感動的だ。5巻のマキ主役の話とか泣けるよ、ほんとに。
マイナーな雑誌から刊行されてるから、近場の小さな本屋ではまず見つからないのだが、運良く見つけたら買って読んでみるといいよ。