マッカンドルー航宙記 太陽レンズの彼方へ
- 作者: チャールズシェフィールド,Charles Sheffield,酒井昭伸
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/10
- メディア: 文庫
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「マッカンドルー航宙記」の続編である。アメリカで「The Compleat McAndrew」という、いわゆるマッカンドルー物を揃えた本が刊行されているのだが、そのうち、「マッカンドルー航宙記」に収録されなかった短編のみをまとめたものだ。一時期絶版になっていた(1991年4月30日初版)「マッカンドルー航宙記」を手に入れることができたのは、この新刊の刊行にあわせて復刊されたからに他ならない。非常に助かる。ところで、Compleatって、Completeの誤植か?と思ったが、実際にそういう単語が存在するようだ。へー。どうでもいいですか。そうですか。
今作では、作風が変わってしまっている。驚きの物理現象ではなく、人間関係や、人の心といったものが中心に置かれている。なので、SF的なサプライズもあるにはあるが、前作よりパワーダウンした感じがする。あまり期待してはいけない。「マッカンドルー航宙記」でキャラクターや背景世界に愛着を持った人間が読むと、楽しめると思う。だから、いきなりこれを読んでマッカンドルー物を評価してしまわないように!小説としては悪くないけどね。
マッカンドルー物は短編集なので、その気になればいくらでも書いていけるだろうし、シェフィールドもそのつもりだったみたいだが、非常に残念なことに、2002年に亡くなったそうだ。今後、マッカンドルー物が書かれることは無い。惜しいなぁ、これほどの作品を書ける人が・・・。チャールズ・シェフィールド。あなたの名前はしかと記憶したぞ。