未来世界から来た男

未来世界から来た男 (創元SF文庫 (605-1))

未来世界から来た男 (創元SF文庫 (605-1))

フレドリック・ブラウンショートショートの名手として有名で、日本では筒井康隆星新一に少なからぬ影響を与えたそうである。SFの有名どころは抑えるようにしている俺からすれば、避けては通れない道である。そういうわけで、このショートショート集「未来世界から来た男」を読んでみた。

ショートショートということで、一つの話で短いやつは1ページ、長くても10数ページ程度しかない。内容もSFに限定するわけではなく、非常にバラエティに富んだ内容で、最後のオチで思わずフッと笑ってしまうもの、下ネタに走っていて苦笑いしてしまうもの、皮肉が効いたもの、胸くそ悪くなるもの、ホラー仕立てでゾッとするものなどなどが、次から次へと頭に飛び込んでくること43編。これだけあると、オチがよく理解できないものもいくつか出てくるのだが、おおむねヒネリが効いていて面白い。

気に入ったのは、火星人の魔の手から地球を救ったロバの話「おれとロバと火星人」、単性生殖児の驚異を書いた「ジェイシー」、ある血族の狂いっぷりをホラータッチで演出する「ばあさまの誕生日」の3つ。

フレドリック・ブラウンショートショート集はこれ以外にもう一冊あって、すでに注文済みだがまだ手元に届かず。軽く読めるから重宝するんだよなぁ、こういうの。早く届かねぇかな・・・。