ある日、爆弾がおちてきて

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

「えーと、君の名前は、広崎ひかり・・・・・・じゃなくて、"ピカリちゃん"」
「はい」
「人間じゃなくて、"爆弾"」
「はい、そうです。最新型ですよ〜」
結論。
「なに言ってんだ。ウソつけ」

古橋秀之ある日、爆弾がおちてきて」読了。
物語永遠のテーマ、ボーイ・ミーツ・ガール物のみで構成された、たぶんSF短編集である。表紙がいかにも「ほら、カワイイだろ!萌え萌えだろ!」といわんばかりのイラストだったのでちょっと二の足を踏んだが、「ブラックロッド」「タツモリ家の食卓」そして「サムライ・レンズマン」を送り出してきた古橋秀之の本である、きっと一読する価値があるだろうと購入した。いやぁ、それにしてもボーイ・ミーツ・ガール書けるんだねぇ、古橋氏。

ほとんどの短編はひたすらライト。「タツモリ家の食卓」のノリ。笑える。SF的な背景があるものの、奇想天外な発想でアッといわせるタイプじゃない。どこかで見たような話を、うまいぐあいに消化した、って感じ。でも、そういうオチがわかってしまうような話で面白くできるってのは、結構な文章力なんじゃないだろうか。「三時間目のまどか」なんて、やっぱりそうこないとなぁ!という終わり方である。

「トトカミじゃ」「三時間目のまどか」「むかし、爆弾がおちてきて」の3つが気に入った。とくに、「むかし、爆弾がおちてきて」の、主人公の取った思い切った行動が、なんかわかるなぁ、と。

めちゃ読みやすい。マンガを読んでいるのと変わらない感じ。非常にライトノベルらしいライトノベル。一日であっさり読み終わってしまった。これで550円というのを高いと感じるかどうかは人によるなぁ。俺はまぁ・・・1冊5,000円の技術書をバカスカ買うので、感覚が・・・。