末弥純画集Wizardry

FC版#2からWizardryの世界に入った俺には抵抗不能・回避不能な画集が出てしまった。『末弥純 画集 Wizardry』。

アメリカの大学生2名が作った、コンピュータRPGの元祖として名高い傑作ゲーム『Wizardry』。熱狂的なファンを持つシリーズであるが、初代のAppleII版は最初期のパソコン上で動作することもあって、音楽も無いしグラフィックにいたっては子供の落書きの域を出ていないものであった。

これをFCソフトとして日本に持ってくるときに、このままじゃ売れない、ということでビジュアル面を強化するために抜擢されたのが末弥純である。彼の描く美しくも恐ろしいモンスターたちは多くのゲーマーを魅了した。日本におけるWizardryのイメージはほとんどこの人が一人で作ったと言っても過言ではないと思う。

それにしても、よくここまで描いたものだ・・・。Fire DragonやNinjaはまだいい、イメージが湧くかも知れない。しかし、FlackにMaelific、BleebなんてWizardryオリジナルのモンスターなので元ネタが無い。特にFlackが道化師みたいな格好してることを当然のように覚えているが、よくよく考えればAppleII版ではスライムのアイコン使っているんだから、このイメージは末弥純が作ったものなのである。どこからこの発想を得たのだろう、この人は。どうでもいいが、#5の中盤で登場した『Joker of Death』のイメージが思いっきりFlackだったので、ビックリして慌ててその時点で最強の攻撃呪文を連発したのは俺だけじゃないはずだ。

そんな背景があるので、FC版デビューの俺にとって今回の画集は回避不能。4k円もするけど回避不能。Bamatu唱える前にMontinoくらってる感じ?またはFire DragonとGorgonの大群から先制攻撃ブレスくらって瀕死とか。わかんねーか。

ともかく、美麗なイラスト満載、なかには『ピンクのリボン』みたいなふざけたイラストもあって、それがまた面白い。Greater Demonのイラストが結構多いな。ある意味、Wizイラストを象徴しているのかもしれん。

さて、最後にみんなツッコむところであろう、表紙について言及しておくか。今回描き下ろされたこのイラスト、Greater DemonとLesser Demonを相手にした状態で、前衛の生き残りは戦士一人、あとは魔法使い二人だけ・・・これ、全滅直前じゃないすかね?逃げるのに失敗したら、たぶん次のMadartoで全滅だな、これ。そうなると、レベルダウン覚悟でHaman使うか、石の中に突入すること覚悟でMalor、もしくはアイテム捨ててLoktofeitか・・・もはやろくな選択肢残ってねー!