MOVIE大戦2010を見てきたわけだが
『仮面ライダー x 仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』(長い!)を観に行きましたよ。
面白かったよ!
Wは。
…というわけで、ネタバレ含みつつ感想を書く。
仮面ライダーディケイド 完結編
平成仮面ライダー総出演というお祭り企画であった『仮面ライダーディケイド』は、立派にその使命を果たした。平成仮面ライダー10年の歴史の集大成として、本作ほどふさわしい作品が他に考えられるだろうか?
見よ、オープニングから圧倒されるど派手な演出を。
見よ、TVシリーズ終盤から始まりとうとう改善されなかったやっつけな脚本を。
見よ、あからさますぎる設定の放り投げっぷりを。
おのれディケイド!!!これもすべてディケイドのせいだ、ディケイドの…!
まーなんですか、ひどいの一言ですよ。映像はすばらしい出来だと思うけど、それ以外が。複線もなく突如投入されるやっつけなラスボスとか、出した意味がわからない新キャラとか、結局背景設定の説明を放り投げてメタに逃げちゃってる点とか。お祭り企画だからと、TVシリーズからこっち細々とした設定の矛盾とかはスルーして楽しんでいたのだが、今作はさすがにひどすぎる。平成仮面ライダーシリーズの良いところよりもむしろダメなところの集大成になってしまっている。
突っ込みたい点はいろいろあるのだが、特に鳴滝さんの扱いがひどすぎる。TVシリーズの冒頭からずっと登場し続けてきたキーキャラクターのはずなのに、ディケイドや世界の秘密について語ってくれるはずの人物だったのに、単なるやられキャラとして退場かよと。これもすべてディケイドの仕業ですね、わかります。
ディケイド、9つの世界を巡ってるあたりは最高に楽しかったんだけどなぁ。また失速ですよ、また放り投げですよ。すごくすごく残念だ。
仮面ライダーW ビギンズナイト
ディケイドがひどすぎる一方、Wはすごく頑張っていて、手堅い作りだった。
TVシリーズでまだ語られていない空白の箇所をうまく補完してくれて、キャラクターの掘り下げもばっちり。特に「もうひとつのビギンズナイト」によってフィリップが戦う理由が明らかになったのがよいね。
あと、おやっさんかっこよすぎ。
強いて言えば劇場版ならではの派手さが無くて、単にTVシリーズの一話として投入していいんじゃね?と思いはしたが、話がちゃんとまとまってる時点でもうすべて許す。
MOVIE大戦2010
ディケイドたちが最後の戦いを繰り広げていた世界が、たまたま「Wの世界」だった、ということだろうか?とにかく二人(三人?)のライダーが合流して、やっつけなラスボスであるネオ生命体とど派手なバトルを繰り広げますよと。劇場版ならではの豪華な演出が楽しい一作である。
「Final Form Ride All Riders!」でライダーたちが一列縦隊になって「ちょっとくすぐったいぞ」を連発する描写が面白かった。こういう演出はすごくうまいのに、どうして脚本があんなことに…。
一番の見所はラストの「別世界の鳴海荘吉」との邂逅だ。あれはグッときた。『仮面ライダーディケイド』という作品はあのシーンを生み出すために存在したといっても過言ではない!もうすべて許そうかという気になってきたよ。
ところで、プログラムによると、Wがマンモスメカを乗っ取った形態を「ハードマンモシャー」って言うんですな!マンモシャーって。そういうセンスは好きですよ。
総括
圧倒的な映像に魅了されはするが、ディケイド側のストーリーが致命的にダメでちっとものめり込めないのが非常に残念な今回の劇場版。W単体の劇場版がたぶん作られるだろうから、そちらには期待している。
あと、ディケイドのキャラクター自体は好きなので、今後ゲスト出演すると素直に喜ぶだろうなぁ、と思う。プログラムでも士役の井上正大くんが「カードとオーロラさえあれば何でもできるというのが、この映画をご覧頂ければわかると思います。なので、またどこかでひょっこり現れそうなんですが(笑)。」と語っているが、まったくその通りで便利に使えるキャラになったわけだし、むしろ出てきて欲しい。