ESPer2007に行ってきた

ESPer2007は、IPA主催の未踏ソフトウェア創造事業のOB達による成果発表会だ。運良く開催を察知できたので、会社の先輩と二人で行ってきた。

未踏ソフトウェア創造事業は、独創的なソフトウェアの開発に対して、資金提供を始めとした支援を行う制度である。日本国内からスーパークリエイターを発掘するための試みだ。その成果というだけあって、そこらの企業の仕事とは一線を画する面白い開発が実施されているようだ。俺は勘違いしていたのだが、学術的な性質なものではなく後のビジネス展開を強く志向しているらしい。

そういうわけで、スピーカーの人々には、学生や会社員もいるが、未踏後に会社を興したベンチャーの代表も何人かいた。

発想や技術面がすごいなぁ、と思う。日本負けてねぇじゃん、と思った。さらに、未踏に挑戦するような人々がどのようなスタイルで仕事をしているのかという点、そしてビジネス面でのあらゆる試みも興味深い。研究とビジネスの間には大きなギャップがあり、これを埋めるべく様々な取り組みを行っているそうだ。

この人達は、「やっちゃった人たち」なんだな。何かをやろうとしたときに、それが出来ない理由が次々と思いついてしまうのが人の性だが、彼らはとにかくやり始めた。やってく先から力を付けていって、最後は成し遂げた。特に未踏ユースのほうはそんなだとスピーカの方も言っていた。この踏ん切りが凡俗なエンジニアとスーパークリエイターの差の一つなんだろうな。

ただし、そうしたスーパークリエイターを生んできた"未踏"であるが、あくまで個人の支援を目的としているため、社会に出た人はなかなか参加が難しいという実情もあるらしい。"未踏"の成果を会社に帰属させると、IPAが特定の企業を支援したことになるのでよろしくないそうだ(個人が成果を元に起業するのはOKらしい)。ということは、"未踏"プロジェクトは会社に直接的な利益はもたらさないし、プロジェクトに注力している間は業務が滞る心配がある。実際はそんなことなくとも、経営者や上司はそう疑う。そこはネームバリュー獲得や士気UPなどをネタに説得するしかない。

この成果発表で得た刺激は大きい。やってることの格が違う。違うので、「よぉし!おれもやったるぜ!」という気合いと、「さすがにそこまでは無理ぽorz」という諦めがせめぎ合う。まぁ基本的に傲慢なので、前者に落ち着くんだけど。そうだとも、負けてられるか。


それにしても、こういうところに来る人の名刺を見ると、いつもどこかで見た会社の名刺ばかりなんだよねぇ。なんで俺等みたいな無名の中小企業から人が出てこないんだろう?先端技術に興味ないのかね?それとも、IPA情報処理技術者試験やってるところだから信用がないのか?